生活環境経済学科

変動の激しい経済社会において、生活環境の変化に伴う諸問題を自ら発見し自ら解決する能力を身につける。

市民生活の基盤となる経済社会は、グローバル化や人口動態の変化などによって大きく変動します。生活環境経済学科では、地域?都市、自然環境、福祉システム、職場?雇用環境など、人びとの身近な生活環境の変容を経済理論、歴史および政策からなる経済学の多様な学びから習得します。そうした経済学の学びを基盤としたうえで、経済社会の変動が生み出す生活変化に感応的で「生活の質」の改善に取り組むことができる専門的な能力を身につけることができます。生活環境経済学科の卒業後には、民間企業や非営利団体などに所属して新規事業の企画や開発などの業務や、経済活動の管理?運営や諸課題を解決する業務に携わることにより、事業体の発展に寄与することが期待されます。また、市民活動等を通じて、市民として政策形成の推進に貢献することが期待されます。

学びの特徴

経済学の基礎的知識の習得
初年次では専修大学入門ゼミナールや入門的な専門科目を通じて、経済学の基礎を学びます。特に「生活環境と経済はどう関わっているのか」という意識をもって、高校から大学への勉学のステップアップを目指します。
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主体的な学びを促すゼミナール
2年次以降に履修できるゼミナールでは、文献講読?調査?発表?討論などを通じて、主体的?実践的に専門性を深めます。特に生活環境をめぐる効率?公正?持続可能性の観点から、経済社会のあるべき姿を考えます。
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プログラムに基づく系統的学修
各人の関心に応じて、「地域?環境」、「福祉?労働」、「社会経済史」、「経済システム?理論」の各プログラムに沿って専門科目を系統的に学びます。所定の条件を満たすとプログラム修了証が授与されます。
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4つのプログラム

地域?環境プログラム
住む、働く、買う、遊ぶなど日常生活の舞台となる地域と生活を取りまく環境について学びます。経済学的観点から「地域」と「環境」について学び、暮らしと人生についての考え方を豊かにしましょう。
福祉?労働プログラム
このプログラムでは、生活の質や共生社会の実現という、未だ「当たり前」ではない社会的なテーマを見すえつつ、労働、社会保障、ジェンダー(社会的性別)などの学習から、課題発見力?解決力の涵養をめざします。
社会経済史プログラム
いつの時代でも、人間は相互に結びついて社会を形成してきました。そうした結びつきは、経済活動とどのような関係にあるのでしょうか。社会と経済の歴史的関係について、日本と西洋を比較しつつ将来を展望します。
経済システム?理論プログラム
各国の経済や世界経済を1つのシステムとしてとらえ、その全体の構造や動きについて学ぶプログラムです。今の経済に起きている変化がもつ意味を深く掘り下げ、グローバルな視野から経済問題の解決を考えていきます。

成長のプロセス

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1年次
専門分野の基礎を固める
「経済とはどのようなものか」という観点から、特に経済と生活環境をめぐる諸問題を多面的に考察するための基礎をしっかりと固める。
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2年次
プログラムの下で専門知識を習得
自分の将来のキャリアを見据えながら、4つのプログラムの中から選択したうえで、生活環境の基盤を成す経済社会に関して専門的に学ぶ。
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3年次
ゼミナール活動を通じて専門性を高める
より好ましい生活環境を実現する経済社会に関して、教員やゼミナールの仲間と議論を重ねて、思考を深めるとともに、専門知識の幅を広げていく。
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4年次
経済社会に関する見解の表明
プログラム科目やゼミの履修を通じて専門的知識を体系的に身につけたうえで、経済社会のあるべき姿に関して自己の見解を練り上げて表現する。
生活の質の改善に関わる問題発見?解決能力を修得し、政策形成に市民として参加する。

授業PICK UP 

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人間と経済
(松井 暁 教授)
経済とは人間と自然との間の物質代謝による人間と社会の再生産であることを理解するため、あらゆる経済活動に共通する基礎カテゴリーを学びます。産業連関や経済成長の仕組み、経済と自然環境の関係、そして経済システムを構成する共同体?国家?市場の機能について考えます。

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日本経済の論点
(宮嵜 晃臣 教授)
論点として、アベノミクス、格差?貧困問題、少子高齢化、産業の空洞化、産業競争力の低下、エネルギー問題、地域経済の困難等が考えられますが、これら論点を歴史的経緯の中で位置づけ、かつ世界経済的背景とともに考え、現状の日本経済のどこにどのような問題点が潜んでいるのかを考えていきます。
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社会保障論
(小池 隆生 教授)
「社会保障論」は、所得、医療さらに福祉など暮らしを支える条件の保障(生活保障)を、家族頼みの自助努力とするのか、それとも地域や職域の助けを経ながらも、税の再分配による国家の営みとするのか、社会が近代以降直面してきた課題について暮らしの実態から検討する授業です。
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財政社会学
(徐 一睿 准教授)
財政社会学の名称から、果たして財政学なのか、それとも社会学なのか、よくわからないという質問を受けますが、財政社会学は100年前に起源をもつ歴史ある学問分野です。コ?ルトシャイトが提起し、シュンヘ?ーターが「租税国家」として発展させました。本講義は、財政社会学に関する基本的な考えについて学びます。

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労働と経済史
(枡田 大知彦 准教授)
この講義では、人の働きかたのあり様、その変遷に焦点をあて、ヨーロッパおよびアメリカにおける経済社会の歴史的展開過程を解き明かしていきます。こうした学びを通して、将来の働きかたのかたちについての多様な情報を得ると同時に、雇うものと雇われるものの双方向から社会?経済をとらえる視点を養います。
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地域通貨論
(西部 忠 教授)
地域通貨は、経済のグローバル化と脱工業化の下、バブル崩壊や金融危機で衰退した地域の経済?コミュニティを活性化することを目的に世界や日本で普及し、いま仮想通貨との融合が進んでいます。地域通貨の理念、役割、背景を概説するとともに、新たな社会運動や政策手段としての有効性を考えます。