研究助成?研究員制度_2022年度

2022年度 研究助成決定者(個別研究?共同研究)

高校生や一般の方々にも研究内容をわかりやすく理解していただくためにあえて平易な書き方をしています。

所属 職名 氏名 研究課題
経済学部 教授
飯沼 健子 最貧国の人々の危機対応と社会関係資本
【概要】
パンデミックにより大きな社会経済危機が引き起こされましたが、いわゆる最貧国の政府部門はこれに対応する余裕はありません。しかし、社会関係資本という信頼?ネットワークなどの社会関係に着目することで、人々やコミュニティが助け合うなどして危機対応を行っている様子が見えてきます。最貧国であるラオスとミャンマーを取り上げ、国家による危機対応が不在の状況において、社会関係資本がどのように人々の防疫と生計維持を支えるのかを探ります。
経済学部
教授
小林 昭裕
明治?大正期、都市公園の開設?改修、公園設計に対する社会文化史的考察
【概要】
人と自然が重なり合う場である都市公園に対する物的操作への関心に比較し、社会文化面に対する関心は、主要な研究の流れではありませんでした。本研究は、明治期の早い時期に公園が開設された青森、新潟という港湾都市を対象に、「公園が成立する場所の立地特性(空間)」、「公園という場所に刻まれた履歴(時間)」、「市民?行政?団体などの関係者が場所に対する関心?働きかけ(人間)」の3要素を統合的に捉え、社会文化面の評価を行います。
経済学部
教授
堀江 洋文
中世異端審問制度とスペイン帝国の異端審問所
【概要】
宗教では、自分たちの考えや信仰と相容れない考えを持つ人や集団を異端として排除しがちです。そのような異端の精査と排除の目的のためにカトリック世界で設置された異端審問所には、拷問や前近代的な裁判制度といった暗いイメージが付きまとっています。この研究では、国家機関の一部として機能したスペイン帝国の異端審問所と中世以降異端審問を行ってきたローマ教皇庁の異端審問制度を比較し、それぞれの制度の特徴を明らかにします。
経済学部
教授松井 暁
新しい社会主義経済論の探究
【概要】
新しい社会主義社会論の課題は、市場経済を廃絶して生産手段を社会化した社会体制がいかにして市民による生産手段の実質的な所有を保障し、疎外を廃絶できるかということです。このテーマに関する代表的な先行研究は、P?コックショット=A?コットレルによる計画経済モデルと、M?アルバート=R?ハーネルによる参加経済論です。今回はこれらを中心に検討し、規範理論の観点から民主的な社会化がいかに実現されうるかを検討します。
経済学部
講師森 啓輔
日米における米軍基地をめぐる言説ネットワークの翻訳プロセスの社会学
【概要】
国際的な問題として日本語圏と英語圏において展開している在日米軍基地をめぐる言説を対象として研究します。我々はメディアを介して国際的な問題と地域の問題を繋ぐことができます。しかしメディアによって言説が決定される道筋に関してしばしば無知です。そのためこのような言説がもつメカニズムについて考察します。
法学部教授芦野 訓和
役務提供契約における《役務の瑕疵》の適切な評価と《役務提供者の保護》に関する研究
【概要】
契約が締結されると当事者は契約どおりの内容を実現しなければなりません。役務(サービス)を提供する契約の場合には、役務の提供が契約の目的となっていますが、提供された役務に欠陥(瑕疵)があった場合には、提供者は契約上の責任を負うことになります。しかし、そもそも「役務の瑕疵とは何か」が明らかではありません。この研究では、実態を調査しながら役務の瑕疵の概念を明らかにすることで、役務提供者の保護を図っていきます。
法学部
教授
大井 万紀人線形剛体模型によるベリリウム8の励起スペクトルの研究
【概要】
今からおよそ138億年前、ビッグバンと呼ばれる大爆発が発生し、宇宙は誕生しました。初期宇宙に存在した物質は水素だけであったが、宇宙誕生から最初の数分が経過した時、核融合反応が起きてα粒子(ヘリウム)が生成されました。α粒子は、やがて生まれた恒星のなかで、「アルファバーニング」と呼ばれる核融合反応によって複数個が結合し、炭素や酸素、珪素や鉄、ニッケルなどの重い元素へと「進化」しました。アルファバーニングの最初のプロセスが、2つのα粒子の核融合で形成されるベリリウム8の合成です。しかし、この物理機構については謎が多く、解明が待たれています。ベリリウム8は串団子のような形状をしており、その回転と振動がベリリウム8の安定性にどのような役割を果たしているのかを、数理モデルや数値計算によって解き明かしていく計画です。
法学部教授
増田 英敏プロフェッションとしての税理士の租税法教育プログラムのグランドデザイン
【概要】
日本の税理士は中小企業の経営判断や税務申告をサーとしています。このニーズに対応できる税理士試験制度や租税法教育制度が整備されていないというミスマッチが税理士制度の大きな課題です。この課題について具体的に、そして、実証的に明らかにします。そのうえで、この課題を克服していくための大学院教育制度を税理士資格取得後の再教育制度を補完する手段として位置づけ、税理士の再教育プログラムを開発提言していくことを研究の課題としております。
法学部教授吉田 清司バレーボールにおけるセッティング行動決定プロセスに関する研究
【概要】
視線追跡装置を使用してアスリートの視線を計測することで、試合中?練習中にどこを見て判断?行動しているかを客観的に知ることが可能となります。本研究は、バレーボールゲーム中のセッターがセッティング行動を決定するプロセスにおいて、ゲームにおける局面ごとの視線情報実験と調査から、どこを見て判断しているか、どこを見ることが不可能なのかなどの視覚探索の比較を行い、セッティング行動を決定する因子を明らかにすること目的としています。
法学部教授渡邊 一弘刑事責任能力の判断構造についての実証的研究-裁判員法?医療観察法施行後の判例分析
【概要】
刑法に規定される刑事責任能力については、近年、市民も刑事裁判に参加することを求める「裁判員制度」の施行や責任無能力者等に対して強制的に医療を実施することを正当化する「心神喪失者等医療観察法」施行などの影響により、刑事裁判実務においてその判断基準や判断方法に変化が生じてきていると指摘されています。本研究は、近時の裁判例を分析対象として、統計手法を用いて実際の刑事裁判における刑事責任能力の判断構造を客観的に分析することを試みるものです。
経営学部教授
植竹 朋文宿泊施設を対象とした需要予測が困難な状況下におけるレベニューマネジメントに関する研究
【概要】
近年、Covid-19の影響により需要や消費者の行動の予測が難しくなり、様々な業界で平時とは異なる方法で利益を出していくこと(レベニューマネジメント)が求められています。特に施設ごとに特徴や制約が大きく異なる宿泊業界においては、十分な対応ができているとは言えません。そこで本研究では、様々な宿泊施設の調査を行い、需要予測が困難な状況下におけるレベニューマネジメントのあり方について考察しています。
経営学部教授佐藤 暢南西インド洋の非地震性海嶺から探るマントルダイナミクス
-コンラッドライズを例に-
【概要】
大洋底に分布する台地状の高まりは、マントル深部の活動が地球表層に現れたものと考えることができるので、直接調べることのできない地球内部の物質や状態を推定することができます。この研究では、インド洋南西部の「コンラッドライズ」で採取された岩石を用いて、岩石の成分や放射性同位体に基づいた形成年代の測定を行い、「いつ、どのように形成されたのか」を明らかにします。この研究の結果は、白亜紀以降のインド洋の下のマントルの活動を解明する上で欠かせない情報です。
経営学部教授李 建平江沢民時代の中国の経済改革と経済成長
【概要】
鄧小平時代に比べて、1998年から2004年までの江沢民時代の中国経済成長率はやや低下しましたが、なお平均8%以上の高成長率を維持していました。その高成長率が維持できたのは私有企業の急成長や多数の外資企業の中国進出やWTOの加盟によるところが大きいと考えられます。本研究の目的は、江沢民時代の経済改革の軌跡を踏まえた上で、それぞれの経済改革の措置による経済効果を分析し、また、その時代に共産党幹部や政府官僚の腐敗問題が深刻になった原因にも触れることです。
商学部
教授
本田 竜広
有界対称領域上の正則写像の考察
【概要】
本研究は、数学の中でも、解析学の多変数函数論の分野に位置づけされます。解析対象の局所的な極一部の現象を精緻に分析し、変化を的確にとらえると、全体での性質を知ることができるのが面白く興味深いところです。有界対称領域は、複素平面の半径1の円の内部の領域を高次元への拡張した領域で、正則写像の理論は、複素数での微分積分の理論でもあり、例えば、今では一般的なコピー機の理論の基礎となるものです。
商学部教授
准教授
  ◎渡辺 達朗
       新島 裕基
地域情報デジタルアーカイブを活用したまちづくりの取り組みに関する調査研究
【概要】専修大学の大学史資料室には、創設以来140余年間の地域との交流の歴史が映像、写真、文書、物品として蓄積されています。この間、それらをデータベース化しGoogle Mapに表示できる「神田神保町アーカイブシステム」を試験的に開発?運用してきました。これを発展させて、神田地域の古書店、飲食?サービス業等の店主さん、地域団体?町会等の役員といった方々を対象に、これまでの活動やこれからの展望に関するインタビュー動画を制作し、オーラルヒストリーとしてアーカイブに蓄積することをめざしています。
商学部准教授
柏木 悠
アマチュアゴルファーの傷害予防とスコア向上を狙ったシングルレングスアイアンの検討
【概要】
ゴルフは生涯スポーツとして代表的な一つであり、運動?スポーツ実施率において年齢、性別問わず人気の高いスポーツです。しかし、アマチュアゴルファーが長さの異なるゴルフクラブで一定水準の技術を獲得するためのハードルは高く、また、傷害リスクも報告されています。本研究は、長さが統一されたシングルレングスクラブを用いたスイングの動作分析によって、アマチュアゴルファーへの新たなスコアアップの可能性を示唆します。
文学部教授伊藤 博明ベネデット?コトルリとルネサンス人文主義
【概要】
ラグーサ(現在のクロアティアのドゥブロヴニク)出身で、イタリアの諸都市で活躍した商人ベネデット?コトルリはまた、『商売術の書』を著し、初めて「複式簿記」について言及した教養人でもありました。本研究の目的は、イタリア?ルネサンスの代表的な「物書き商人」(C?ベック)であったコトルリに対して、当時の人文主義(ヒューマニズム)が与えた影響を探るとともに、新しい理想的商人像を明らかにすることです。
文学部教授片桐 一彦言語産出活動における学習者同士の評価とフィードバック
【概要】
第2言語習得理論の研究分野では、言語産出は、「宣言的知識」から「手続き的知識」への変換を促進する、つまり外国語としての英語に関して「知識はあるが話せない状態」から「より自然に流暢に話せる状態」へ発達させることが知られています。言語産出活動を学習者同士の評価(peer evaluation)とフィードバック(peer feedback)とともにおこない、学習者同士の評価がうまく機能するのかどうかを数量的データからも解析しつつ、中学校や高校での英語教育への示唆を提示します。
文学部教授苅谷 愛彦大起伏山地における大規模斜面崩壊の地形学?地質学的特性の解明
【概要】
赤石山地や紀伊山地、四国山地のように起伏が大きく、傾斜が急な山地における斜面崩壊の発達過程を、地形解析や野外地質調査、木材化石の年代測定などを通じて実証的に明らかにしてゆきます。対象とする期間は現在から数万年前までとし、斜面崩壊と古地震(過去の巨大地震)や古豪雨との関係にも着目します。また古文書や地域伝承に残された記録も参考資料として見逃さないようにします。本研究は地形学や地質学を基礎としつつ、文理融合型の視点で進められてゆきます。
文学部教授山田 健太集会の自由の今日的意義と意味
【概要】
集会の自由は、憲法で保障されている表現の自由の1つのかたちです。最近、集会に反対する人が開催を妨害することも少なくなく、その警備のために警察等が出動することもあります。従来からこうした抗議行動については、「敵対的聴衆の理論」として議論の対象でしたが、ヘイト集会に対するカウンターと呼ばれる抗議行動も含め、どのように「集会の自由」の枠の中で議論し、主催者?反対者の双方の自由を保障するかの再検討が求められています。本研究では、過去の理論の見直しも含め、現状に即しつつその着地点を探るものです。
文学部教授山田 健太言論公共空間における表現活動の縮減状況と公共性に関する考察
【概要】
民主主義社会の基盤とされる言論公共空間の構成要素が、表現の自由の制度的保障と健全なジャーナリズムの存在であるとされています。社会の中で図書館?美術館?公民館、さらには公道?広場といった公共空間における言論?表現活動がどのように変容し、あわせて新聞?放送を中心とするいわゆる言論報道機関の取材?報道活動がどのような影響を受けてきたかを分析することで、市民?メディア?行政が、それぞれ言論公共空間における「公(公共性)」なるものをどのように捉えてきたかを整理?分析します。
文学部教授
山本 充
近代日本における別荘開発の進展と別荘利用の実態-近代のマルチロカリティ-
【概要】
現代社会においては、一カ所に長期に住む定住に限られない、二地域居住など多様な住み方がみられます。このような住み方は、明治以降に普及が進んだ別荘の利用を通して既に近代において行われていたといえます。本研究は、明治から昭和初期の東京大都市圏を中心として、別荘の開発がどこでどのように進展していったのか、別荘開発の拡大過程を、そして、別荘が実際にどのように利用されていたのか、別荘の利用頻度や滞在時期、別荘における活動状況を明らかにします。
ネットワーク情報学部
准教授石井 健太郎ワンタイム画像生成による攻撃耐性を持つ個人認証技術の確立
【概要】
パスワード入力が主流である個人認証(本人確認)において、のぞき見をされても他人には正解が流出しにくい手法を研究します。このとき、認証を受ける本人にも正解することが難しくなってしまっては使いづらいため、画像を選択するという比較的シンプルな方法を採用します。これらのことを実現するために、ワンタイム画像生成と呼ぶ、画像生成ネットワークによって毎回異なる画像を利用する手法の確立を目指します。
ネットワーク情報学部准教授土屋 翔一直径2のグラフのHISTについて
【概要】
数学の研究では、先人が立てた予想を解決したり、既存の定理を改良したりすることで、新たな定理を得ることができます。1990年にAlbertsonたちが立てた直径2のグラフにおけるHISTの存在性に関する予想が、最近、Ando によって解決されました。本研究では、Andoの定理の条件を緩和し、より広い範囲でHISTの存在性を議論することで新たな定理の発見を目指します。
国際コミュニケーション学部教授斎藤 達哉中世キリシタン日本語ローマ字資料の音声化とその意義
【概要】
室町時代の終わり頃(1500年代後半)に、キリスト教の布教のために日本にやってきたイエズズ会(本部:ポルトガル)の宣教師たちは、日本語を学習するためのテキストをローマ字で作成し、日本で活字印刷しました。
ローマ字文献の代表的なものとしては、ヨーロッパで広く知られていたイソップ物語を日本語に訳した「伊曽保物語」や、日本の「平家物語」を1500年代後半の日本語に置き換えたものがあります。
このプロジェクトでは、これらのテキストが《ポルトガル語を主な言語としていた宣教師達の会話(口語)のお手本であった》という仮説を立てて、実際に現代のポルトガル語話者が音読する録音ファイルを作成します。その録音ファイルを、音声学や日本語教育学の視点から分析することで、中世の宣教師たちの日本語学習の様子を再現したいという計画を立てています。
国際コミュニケーション学部
教授土屋 昌明中国インディペンデント?ドキュメンタリーの整理と翻訳研究
【概要】
中国インディペンデント?ドキュメンタリーは、個人や民間団体などの出資(中国政府の検閲を経ず)により、小規模なクルーで取材し、売れることを考えずに、中国人の社会と生活を撮っています。だから、監督個人の問題意識を追求したまじめな内容です。日本ではほとんど紹介されていませんが、欧米では注目されています。本研究は、この分野の作品を整理し、字幕の翻訳と研究をおこない、本学で上映して討論?研究します。
国際コミュニケーション学部
教授松原 朗
杜甫像の再構築
【概要】
杜甫(712~770)は、中国最大の詩人とされています。杜甫は、宋代以降の評価の高まりの中で「詩聖」(詩の世界の孔子様)と目され、忠君愛国の道徳の体現者に祭り上げられました。しかしこうした評価が、杜甫の文学のありのままの姿の理解を妨げることになりました。私のこの研究では、杜甫がなぜこのような文学を作ることになったのかという動機を、杜氏一族の歴史、杜甫の経歴、さらには詩しか持ち合わせていなかった杜甫の「生存戦略」に立ち返ることで理解し、杜甫の真実の姿を再構築することを目指します。杜甫のように研究され尽くしたと思われる詩人の場合も実は分からないことが多く、私の出る幕はいくらでもあると、気を大きくしています。

国際コミュニケーション学部
教授宮本 文都市を歩くことが促すアメリカ現代詩の<非>論理的な詩的思考
【概要】
歩くという行為は誰にとっても日常的行為であり、古来より洋の東西を問わず歩くことと思索が結び付けられてきました。本研究では、歩くという行為の中でも、近代に成立した「都市を歩く(散歩する)」という歴史的所作がもたらす「遊歩者的」経験を深く取り込んだアメリカの詩人たちをとりあげます。その詩人たちが、都市を歩くことが促す〈非〉論理的な詩的思考で、世界の秘められた/新しい回路を開示する様を明らかにすることが本研究の目的です。都市が与える匿名性と偶発的な出会いに満ちた枠組みを提供する散歩が合わさることにより、「都市を歩く」ことは詩の持つ〈非〉論理的な世界の綴り方のアナロジーになるのです。
国際コミュニケーション学部
准教授
教授
 ◎小林 貴徳     井上 幸孝
日本のポピュラーカルチャーに表象されるメソアメリカイメージの解明
【概要】
本研究の目的は、日本では馴染みが薄いと考えられがちな「メソアメリカ」が、わが国を代表するポピュラーカルチャーのひとつ、マンガでたびたび扱われてきたことに注目し、作品に表象されるメソアメリカイメージを探ることです。マンガは、活字の一般書や学校教育の教科書に比べ、幅広い世代、とくに若年層にとって親しみやすいメディアであり、使い方次第では学習の動機付けとしてその効果を発揮します。本研究では、わが国で親しまれてきたメディアを掘り起こし、吟味し、メソアメリカ学に誘う資源としての活用を試みます。
国際コミュニケーション学部
准教授柴田 隆子舞台芸術のジェンダーイメージ:国際舞台芸術祭にみる身体性の変容
【概要】
観客の目の前で俳優やダンサーが演じる舞台芸術は、コロナ禍を経て新たな観客との関係性を探っています。動画配信にとどまらず、声の演劇や音で感じ取るダンス、アバターで参加するパフォーマンス等、これまで自明とされてきた身体のあり方や場のとらえ方を刷新する取組みが行われています。本研究では国内開催の国際芸術祭を対象に、こうした実験的作品における場と身体の関係性、特にジェンダーのイメージの変化に注目した調査を行います。
注:◎は研究代表者を表す。

  2022年度 研究員(長期在外?長期国内?中期?特例他)

?長期在外研究員

所属?職名?氏名 経済学部?教授?櫻井 宏二郎 研究期間 bet36体育在线,bet36体育投注4年4月1日~bet36体育在线,bet36体育投注5年3月31日
研究機関(国名) 専修大学研究室(日本)
研究課題 日本の労働市場における構造的問題について(賃金格差を中心に)
研究概要  現在、日本の労働市場では、ICTやAIなどの技術進歩、経済のグローバル化、人口減少?少子高齢化等の要因の影響を受けて、熟練労働者と非熟練労働者の間での賃金格差の拡大や雇用の二極化、生産性の低迷など様々な構造的問題が発生している。本研究では、日本的雇用システムの特徴を踏まえた上で、これらの構造的問題を考察し、今後の対策へのインプリケーションを導く。

所属?職名?氏名 法学部?准教授?加藤 雄三 研究期間 bet36体育在线,bet36体育投注4年9月1日~bet36体育在线,bet36体育投注5年8月31日
研究機関(国名) 中央研究院近代史研究所(中華民国)
研究課題 近代中国の租界における不動産取引
研究概要  近代中国の海洋貿易港および長江中下流域に設定された租界においては,条約国の法援用がなされると同時に,中国との協議の上で課された制限により,独特な不動産慣行が成立した。今次の研究員期間においては,中央研究院近代史研究所檔案館所蔵外交檔案と連合王国国立公文書館(The National Archives)所蔵の外務省文書を利用して, 租界における不動産の取引,特に華人の不動産継承がどのようにされたかを考察する。

所属?職名?氏名 経営学部?教授?小沢 一郎 研究期間 bet36体育在线,bet36体育投注4年4月1日~bet36体育在线,bet36体育投注5年3月31日
研究機関(国名) 専修大学研究室(日本)
研究課題 イノベーションの共進に関する研究
研究概要  様々な断面の各種イノベーション(プロダクト/生産プロセス/マーケティング/サービス/グリーン/ホールプロセス等々)には,共進して進化する状況が観察される。例えば,或るプロダクトの革新がそれを使用するプロセスの変革を促し,その新プロセスに添ってプロダクトがより飛躍していく。この様に各種イノベーションが相互に影響を及ぼしつつダイナミックに発展する状況を分析し,共進化モデルとして仮説構築をおこないたい。これは日本の製造業の変容?発展に資することを企図している。

所属?職名?氏名 商学部?教授?建部 宏明 研究期間 bet36体育在线,bet36体育投注5年3月23日~bet36体育在线,bet36体育投注6年3月22日
研究機関(国名) ブルネル大学(イギリス)
研究課題 イギリス企業からの技術移転による海軍における原価計算制度の進展
研究概要  海軍は当初イギリスから戦艦を購入するなど、その関係は強く、原価計算制度も大きな影響を受けたと思われる。しかしながら、どのようなイギリスの実務が導入されたかについては、国内における研究では限界がある。そこで、当時のイギリス企業(アームストロング?ウイットウォース、ビッカース)における実務資料を考察し、イギリスの原価計算実務の何がどのような経緯で日本に導入されたかをイギリスの大学図書館、企業図書館、公文書館において調査を行いたい。
所属?職名?氏名 文学部?教授?三浦 弘 研究期間 bet36体育在线,bet36体育投注4年4月1日~bet36体育在线,bet36体育投注5年3月31日
研究機関(国名) 専修大学研究室(日本)
研究課題 イギリス諸島の諸方言音声に関する歴史音韻論的研究
研究概要  言語の発音は常に変化していますが原因はとても複雑です。日本語が奈良時代に中国語との接触によって,「ン」や引き延ばす音を使い始めたように,他の言語との接触は一つの要因です。また社会の変化も要因となります。英語の bath(風呂)の発音がアメリカとイギリスで異なる理由は,18世紀の産業革命後のイギリスに工場を所有する新たな中産階級が出現し,自らの英語を洗練させた格式の高いものに変化させたためです。このように地域の歴史的考察を現在のイギリス英語方言の音声研究に加味して言語変化の過程を分析しています。
研究成果 「STRUT母音の変容と音素記号」(専修人文論集 第112号 2023年3月)

所属?職名?氏名
国際?????????学部?教授?櫻井 文子
研究期間
bet36体育在线,bet36体育投注4年4月1日~bet36体育在线,bet36体育投注5年3月31日
研究機関(国名)
Department of History and Philosophy of Science,University of Cambridge(イギリス))
研究課題
19世紀後半の自然科学におけるトランスナショナルな知識のリロケーションのインパクト
研究概要
 国境を超えた人の移動や交流を介して知識が移動することで、新たな科学の知識や研究制度が作り出される過程を19世紀後半の世界を例に検証する。具体的には、当時最先端の自然科学研究が行われていた地域のひとつであるドイツと、東アジア地域、とりわけ明治時代の日本との間の知の異文化交流に光を当てることで、グローバルな人と知識の流通と交通が当時の科学研究を多元化なものへと変えていった過程を明らかにする。

?長期国内研究員

所属?職名?氏名 経済学部?教授?清水 真志 研究期間 bet36体育在线,bet36体育投注4年4月1日~bet36体育在线,bet36体育投注5年3月31日
研究機関(国名) 専修大学研究室(日本)
研究課題 労働論?生産方法論の体系的把握とその段階論的含意
研究概要  マルクス経済学の労働論?生産方法論を取り上げて,その現代的意義を明らかにするための独自のアプローチを模索する。研究の焦点は,①生産労働に偏った労働概念から脱却を図ることで,生産方法論全体の組み立てをどのように変える必要があるか,②流通労働の集団作業的性格を踏まえることで,生産方法論における協業論をどのように捉え直す必要があるか,③機械経営と大工業経営とを区別することで,生産方法の歴史的変遷にかんする分析の枠組みをどのように変える必要があるか,という3つのポイントに絞られる。

所属?職名?氏名 法学部?教授?時任 真一郎 研究期間 bet36体育在线,bet36体育投注4年4月1日~bet36体育在线,bet36体育投注5年3月31日
研究機関(国名) 専修大学スポーツ研究所(日本)
研究課題 特殊環境下におけるスポーツ?運動時の身体反応及び適応に関する運動生理学的研究
研究概要  スポーツ?運動の効果は、身体の生理反応における適応をうまく利用することにあり、さらに特殊環境下ではより多くの効果を得ることができる。例えば、水中運動は水と空気の密度差を利用し抵抗による負荷を応用したものであり、低酸素環境下においては酸素不足の身体的負荷を応用したものとなる。これらの様々な効果について、運動形態、環境、実施者の年齢や習熟度?身体特性などの様々な要因について広く生理学的に検証する。

所属?職名?氏名 商学部?教授?小林 守 研究期間 bet36体育在线,bet36体育投注5年3月25日~bet36体育在线,bet36体育投注6年3月24日
研究機関(国名) 専修大学研究室(日本)
研究課題 調査研究作業におけるプロジェクトマネジメントの実践と課題
研究概要  調査研究は研究範囲であるスコープを事前に想定しにくいため、プロジェクト的な作業でありながら、プロジェクトマネジメントの知識や技法で遂行できにくい作業分野である。特に外部のスポンサーから求められる調査研究の場合にはスポンサー側の事情や情報量の増加によって、作業開始後にスコープの拡大が起きかねない。これは予算超過、完了時期の遅延、品質劣化につながる。本研究ではこのリスクの最小化のための課題を探るものである。

所属?職名?氏名 文学部?教授???????,????? D. 研究期間 bet36体育在线,bet36体育投注4年4月1日~bet36体育在线,bet36体育投注5年3月31日
研究機関(国名) 専修大学研究室(日本)
研究課題 日本の大学における国際理解教育(global citizenship education)の研究
研究概要  本研究の目的は、日本では地球市民教育(GCE)がいかに取り組まれているのか、もしくは取り組みがあるのであれば、さまざまなアプローチ(ネオ?リベラル、リベラル、もしくはクリティカル)が、いかに異なる教育機関で採用されているかどうかを明らかにすることにある。文部科学省はGCEを中学校?高等学校、それぞれの英語教育に導入しているため、本研究では特に中学校?高等学校?大学に絞り、それぞれの教育段階における英語教育におけるカリキュラム的アプローチを検討する予定である。

所属?職名?氏名 人間科学部?教授?駒崎 道 研究期間 bet36体育在线,bet36体育投注4年4月1日~bet36体育在线,bet36体育投注5年3月31日
研究機関(国名) 専修大学研究室(日本)
研究課題 戦後児童福祉政策構想の史料蒐集及び、戦前児童労働対策及び実態に関する資料集成作成
研究概要  第一に、戦後日本の児童福祉政策の基礎となった1948~1950年の児童福祉法改正及び1951年児童憲章制定を担当した当時の厚生官僚の私的資料を整理し、厚生省児童局における政策決定過程の詳細、厚生官僚の視座を考察する。特に児童憲章制定過程の文部省との交渉に着目する。また資料整理の結果、必要に応じ遺族へのインタビューを行う予定である。第二に、戦前日本の社会事業?社会福祉資料集制作のため児童労働に関する史料調査を行う。

所属?職名?氏名 国際?????????学部?教授?佐藤 弘明  研究期間 bet36体育在线,bet36体育投注4年4月1日~bet36体育在线,bet36体育投注5年3月31日
研究機関(国名) 専修大学研究室(日本)
研究課題 音声データ付き基本語彙リストの作成
研究概要  多くのブルーレイ映画には,英語以外に複数の外国語の吹き替え音声と翻訳字幕データが入れらている。本研究では,このデータを利用して,複数の外国語の基本語彙リストを作成する。研究対象とする言語は,英語,フランス語,ドイツ語などの大言語だけではなく,デンマーク語などの小言語も含む。作成する語彙リストは,複数外国語教育を特色とする国際コミュニケーション学部?異文化コミュニケーション学科の教育?研究にも活用できる。

?中期研究員

所属?職名?氏名 経済学部?教授?宮嵜 晃臣 研究期間 bet36体育在线,bet36体育投注4年9月18日~bet36体育在线,bet36体育投注5年3月17日
研究機関(国名) 自宅(日本)
研究課題 長野県経済の栄枯盛衰と展望
研究概要  長野県基軸産業は製糸業から作業機械、動力(蒸気)機械の発展そこに時計、カメラ、通信機器の疎開企業が加わり、戦後精密機械工業が発展し、さらにクオーツ時計、電子シャッターから電機?電子産業が県各地の産業集積において発展を遂げてきた。しかし21世紀に入り、東アジアへの事業移管が進み、多くの産業集積において空洞化が生じ、新産業の兆しも見られない中、ワイン産業が注目されていて、この推移を本研究では緻密に整理したい。
研究成果 長野県北信地方の産業集積の形成過程について(『専修経済学論集』第144号(2023年3月))

所属?職名?氏名 法学部?教授?森川 幸一 研究期間 bet36体育在线,bet36体育投注5年3月23日~bet36体育在线,bet36体育投注5年9月20日
研究機関(国名) 専修大学研究室(日本)
研究課題 「海洋安全保障(maritime security)」をめぐる国際法?国内法上の諸問題
研究概要  中国海警法は、中国海警機関の任務と権限を定めた法律で、海上法執行と国家安全保障との境の不分明さが指摘されている。他方で、日本の「海洋安全保障」の概念も、海上法執行という警察作用と、外部からの脅威に対処する防衛作用の両機能含んでいる。本研究は、「海洋安全保障」に係る日中の国内法制を比較検討し、警察作用と防衛作用がどのような基準に基づき区別され、法制化されているかを、国連海洋法条約等の国際法との整合性を含めて分析することを目的とする。

所属?職名?氏名 国際?????????学部?教授?石川 達夫 研究期間 bet36体育在线,bet36体育投注4年4月1日~bet36体育在线,bet36体育投注4年9月16日
研究機関(国名) 自宅(日本)
研究課題 スラヴ諸語の言語構造とデジタル辞典システムの研究
研究概要  ITが進化する中で自然言語の処理方法も進化し、非常に便利な新しいタイプのデジタル辞典も出現してきた。本研究では、既に作成した高機能のチェコ語デジタル辞典システムを更に発展させ、言語構造を同じくする他の言語、とりわけスラヴ諸語にも応用できるようにする。そのために、ITを用いてスラヴ諸語の言語構造を分析してその特徴を明らかにすると共に、高度なスラヴ諸語デジタル辞典システムを開発する。
研究成果 スラヴ語のデジタル辞書自動検索システムと「マイナー」言語のデジタル辞書の意義(『国際コミュニケーション研究』第2号(2023年3月)
所属?職名?氏名
法科大学院?教授?佐野 裕志
研究期間
bet36体育在线,bet36体育投注4年4月1日~bet36体育在线,bet36体育投注4年9月30日
研究機関(国名)
専修大学研究室(日本)
研究課題
民事訴訟?強制執行手続における第三者の関与
研究概要
 訴訟や強制執行などで影響を受ける第三者が手続に関与する手段について、現在の制度が成立していった過程を明らかにすることによって、元来、どのような制度であったのか、それがどのように変容していったのか、そこでの問題点と解決策などを順次解明していく。ローマ法に起源を有する制度がほとんどであり、19世紀後半にヨーロッパ各地で立法化され始めた制度が、明治初期に日本に継受されているため、これらの歴史的変遷を明らかにしていくことが主な研究目標である。

?特例研究員

所属?職名?氏名 経済学部?教授?鈴木 将覚 研究期間 bet36体育在线,bet36体育投注5年3月31日~bet36体育在线,bet36体育投注6年3月30日
研究機関(国名) トロント大学(カナダ)
研究課題 経済のグローバル化?デジタル化に対応する税制
研究概要  企業活動がグローバル化?デジタル化するなかで、機能不全を起こしている伝統的な国際課税に代わる新たな課税方法を検討する。近年、各国政府は資本を巡って租税競争を繰り広げ、企業は様々な手法を用いて租税回避を行っている。デジタル企業は、その世界的な活動に対して適切な配分で税を負担していない。こうした状況にいかに対応すべきかを考える。
所属?職名?氏名 文学部?教授?渡辺 英次 研究期間 bet36体育在线,bet36体育投注5年3月30日~bet36体育在线,bet36体育投注6年3月29日
研究機関(国名) ゲントフテバドミントンクラブ(デンマーク)
研究課題 専門的トレーニングの継続が体格、体力?運動能力に与える影響に関する研究
研究概要  発育発達期の運動能力測定について、諸外国ではどのような項目をどのような目的で行い活用しているのか、あわせて単一競技のスポーツクラブがどのように運営され、地域に根付いているのかを明らかにするために、現地のスポーツクラブに伺い調査を行う。
得られたスポーツ医科学の知見を還元し、選手個々の健全な発育発達にあわせ、性差を考慮した育成強化とスポーツ傷害の予防、スポーツライフの実現に寄与することを目標としている。

?相馬学術奨励基金による海外研究員

所属?職名?氏名 法務研究科 教授 稲垣 悠一 研究期間 bet36体育在线,bet36体育投注5年3月6日~bet36体育在线,bet36体育投注6年3月5日
研究機関(国名) マルティン?ルター大学ハレ?ヴィッテンベルク(ドイツ連邦共和国)
研究課題 過失犯の注意義務の類型的分析
研究概要  我が国の刑法典上、過失犯処罰は例外とされ、8箇条があるに過ぎないが、犯罪全体に占める過失犯の割合は非常に高く、日常生活領域、経済領域を問わず広範囲で発生し、その社会的影響力は無視できない。この点に着目すれば、過失犯は犯罪現象の原則形態とさえ言える。これに対し、ドイツでは、客観的帰属論や正犯理論の観点からの過失犯処罰を制限する理論が見られる。これらを導入しようとする多数の先行研究はあるが、本研究では、我が国の実務を踏まえつつ、ドイツ法の応用可能な視座を選別し、我が国の過失犯の注意義務の類型化に寄与することを課題としている。

※次の手順でも本学教員の研究活動についての情報が閲覧できます。
研究者情報システムの検索ページを開く
キーワード検索から"研究課題"で検索
右のボックスに確認したい内容のキーワード(研究テーマなど)を入力して検索ボタンをクリックする